ハウルの動く城

作品について
「ハウルの動く城」は、スタジオジブリ制作、宮崎駿監督による2004年公開の長編アニメーション映画です。イギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジー小説『魔法使いハウルと火の悪魔』を原作としています。
物語の舞台となる「動く城」は、4本の脚で歩く巨大な建造物で、魔法と機械が融合した独特のスチームパンク風デザインが特徴です。外観は様々な建築様式が混在した複雑な構造で、煙突やバルコニー、窓などが不規則に配置されています。この複雑で有機的なデザインは、ペーパークラフトとして再現する際に高度な設計技術が求められます。
映画は興行収入196億円を記録し、第61回ヴェネツィア国際映画祭では金オゼッラ賞(Golden Osella)を受賞しました。
このモデルについて
この「ハウルの動く城」ペーパークラフトは、「ハウルの動く城・大サーカス展」のプロモーション用に制作されました。映画に登場する複雑な構造の動く城を、A4用紙26枚、総部品数237点で再現した精密モデルです。完成すると高さ約30cmとなり、羽根やプロペラを実際に動かすことができます。
大サーカス展は、2005年4月27日から8月31日まで東京都現代美術館で開催され、その後大阪ATCなどに巡回しました。展覧会期間中、エプソン販売(株)の特別協賛により、期間限定で無料ダウンロード提供されました。
制作概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 用途 | プロモーション・ダウンロード配布 |
| 本体シート | A4サイズ26枚 |
| 総部品数 | 237点 |
| 組立説明書 | A4サイズ9枚 |
| 完成サイズ | 高さ約30cm |
| 配布形式 | PDFダウンロード(2005年期間限定) |
設計の特徴
- 複雑な立体構造:映画に登場する不規則な建築様式を忠実に再現
- 精密なディテール:煙突、バルコニー、窓、装飾品など細部まで表現
- スチームパンクデザイン:機械と魔法が融合した独特の世界観を表現
- 4本脚の構造:城を支える特徴的な脚部も再現
- 詳細な説明書:A4サイズ9枚の組立説明書で、複雑な構造も段階的に組み立て可能
設計上の挑戦
複雑な構造の再現
ハウルの城の最大の特徴は、様々な建築様式が混在した「継ぎ接ぎ」のような外観です。塔、バルコニー、煙突、窓が不規則に配置され、それぞれが異なる角度や高さで存在しています。この複雑な立体構造をペーパークラフトとして組み立て可能な形に分解し、かつ強度を保つことが最大の課題でした。
スチームパンク要素の表現
城の外観には、蒸気機関のパイプ、歯車、金属装飾など、スチームパンク特有の機械的要素が多数含まれています。これらを平面的な紙の印刷で立体的に見せるため、陰影の付け方や色彩設計に細心の注意を払いました。
4本脚の構造設計
城を支える4本の脚部分は、可動するように見えながらも、実際には安定して自立する必要があります。脚の角度や接地面積を計算し、完成後の安定性を確保しました。
カラーモデル(完成品)
完成したカラーモデルは、映画のアートワークを忠実に再現しています。赤茶色の外壁、緑青色の屋根、無数の煙突から立ち上る煙のディテールなど、ジブリ作品特有の温かみのある色彩表現を実現しました。




各角度から見ると、城の複雑な構造が立体的に理解できます。特に側面や背面からは、映画では見えにくかった部分のディテールも確認でき、ジブリアニメーションの美術設定の緻密さを実感できます。



